わからないことの多い人生だ。
その辺に転がる感情ひとつ取ったって、俺たちには謎ばかり。
例えば、悲しいという気持ち。
これは一体何なんだろうか?
普段親しみを持って接しているこの感覚。
これは一体何なんだろうか?
答えはどこにも落ちてはいない。
辞書には性質しか書いてない。
それから、それから、言葉のループ。
なにか体の機能だって言う人が居るかもしれない。
それじゃあ、なぜ、体はそういうことになってくるのだろうか。
なんのために?
どっからやってくるんだ、それは。
俺自身の一部なのか。
どこにあるんだ、それは。
また謎だ。謎謎謎。はあ疲れる。
悲しい気分は外からやって来ることが多い。
しかし、触れられたわけでもなければ、
体になにか入ったわけでもない。
悲しい気分は中から生まれることが多い。
だけど、どうやって生まれるのか、
なぜ生まれるのか、それを説明してはくれない。
得体の知れないものが
俺たちの中でせわしなく浮き沈みしている。
そう思うとき、それは俺達の中にはない。
誰かが悲しいとき、
彼は彼自身、「悲しい」になっている。
だけど、そうすると、悲しいとは
人間ということにはならないだろうか。
しかし悲しい気持ちは人間ではない。
これは至極簡単な定義。
俺はどこで間違えたのだろうか。
人生にはわからないことが多いと、感じるものだ。
わからないことは理解できない。
理解出来ないのは俺ではない。
俺には悲しいが理解できない。
だから、俺が悲しいになることはない。
でもじゃあ、俺は俺自身を理解してると言えようか?
俺は俺のことをわからない。
つまり理解できていない。
じゃあ俺は俺じゃないのだろうか。
俺をして、普段親しみを持って接しているこの感覚たちは、
決して俺にはなることがないのだろう。
俺は遠くの悲しいになる。
悲しいを真似する。
悲しいを演じる。
悲しいを食べる。
悲しいを遊ぶ。
なんだっていい。
人が死んだら泣けばいい。
声を震わしてごめんと言えばいい。
崩れ落ちてそいつの名前を呼べばいい。
そしたら、ほら。
俺も悲しいの仲間入りだ。
みんな、みんな。
思う。
俺のことを。
悲しいと。
思う。
ああ、くだらない。
くだらない遊びだなあ。
感情になっているつもりになれるときがある。
映画を見ているとき、俺は主人公になっている。
ヒロインになっている。
近所の子供に、物知りの老人に、戦場で戦う軍人に、もしかしたら、
動物にだってさ。
そのとき俺は嬉しいと感じ、悲しいと感じ、
様々な感情になった気分を味わうことが出来る。
純粋な。純粋な感情。
映画はそう。一つ一つが、塊のように目に見える。
現実と違って、すべてがはっきりしている。
描き出されるための感情。
もっとも、それは彼らであって俺ではない。
俺の感情ではない。
俺はすっかり主人公なりきって、彼らの感情を奪い取っているだけ。
全く無意味だけれど、俺は充実している。
俺の悲しいや嬉しいがなくたって、彼らのそれがあるのだから、それ
で十分だ。
音楽。
あれも不思議なもので。
問題提議、そして解決。
ほんの数分から、何十分のものまであるけれど、
それらひとつひとつがいくつもの問題を一瞬の内に提議し、解決す
る。
全てがうまくいっている。
そう思うことが、俺を落ち着かせてくれるのではないだろうか。
ああそうだよ。ほんとのところはわからない。
解決の連続が?しかし俺の意思への欲求は停止する。
ああ我らが偉大なショウペンハウエル!
小難しいことは俺を眠たくするんだ。もう少し簡単に頼むって。
論理的で秩序的。
人間の言葉でさえ声となり、音となり、じわじわ染み混んでくる。
この時俺は、確かに心癒される感情を感じている。
感情になっている、きっとそうだ、きっと。
だから俺は、映画と音楽が大好きなんだ。
ああ眠い。
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麻酔医
これ…随分前に書いて、自分でよくわからなくなって放置していた文
です。
でも、キャラクターを理解してもらうためにもアップしてもいいかな
ということで。
携帯に一緒に保存してあったメモとしては、
他人から影響を受け、心が傷つくということがわからない。
他人が感情になっているとき、自分は同じ感情になることが出来ない
し、察することすら出来ない。
現実の他者に対して感情移入が出来ない。
思考と感情があったとして、感情に支配されることがない。
基本的には映画や演劇から態度や振る舞いを引っ張ってきていること
が多い。
大げさに振舞うことで感情の真似をする。
すべての人間は演技をしているような感覚。
だから自分も演技を覚える。
演技に対して演技で返すまるで演劇の舞台のつもり。
そんな感じ。
ここでは感情を段階的なものであると考えている。
表層的なものから、根源に近いところのものまで。
理解できないのは特に根底部分のもので、他人や自分に対して深く
「悩む」ということがない。
み た い な \(^o^)/
なーに言ってんだ俺\(^o^)/
過去の自分がまるで別人のようだ。
とまあ、そんな感じだよ、麻酔は。
うん、麻酔は感情ありますよ。
でも極端にそれが動かない性質。
根底的な部分の話。