
夕暮れの小道
目を閉じて開ける
刺すような明るい世界
会ったこともない友人に手を引かれて
存在しない七色をした土の上を
空を飛びながら歩くのだ
チカチカと輝く幾何学模様が
俺に吐き気と諦めた安楽を齎すのだ
あんたは何を望むのかって
発光しながら俺に聞く
ただ ただ、そう、ただ
真っ白な
いや
何もないだけの
そうだ
なんにも見えないんだ
閉じた先には何にもない
だけど
まぶしくて心地よくて
何にもないのだ
魚は地面の下で固まってはいないけど
草木が生き物のように蠢くことはないけど
開けることのないだけ
俺はきっと同じように
眠たくなりながら、世界を軽くあしらいながら
ため息をつきながら、だるいなと呟きながら
心の中で笑ってやるぞ

全部を全部忘れるために
忘れちゃならないことも忘れて
なにも知らないよろこびを
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なんか違うって毎日

褪せていく
錆色は、うまくそいつを隠して
音をなくして
色もなくして
そんなものはなかったみたいに
埃を掃ってみせる
錆のにおいで目が覚める
その部屋には入りたくない
だからどうか
俺をその部屋に閉じ込めておいてくれ
------
まったくなにも感じない
向こうのほうに行きたい

まるで、忘れられて取り残された廃墟のようだ。
俺、昔、廃墟に住んでみたいって
思っていたんだ。

蓋をしていない箱
少しずつたまっていく箱
下から順に潰れていく
それでも潰れない空箱
大事な箱
ぐるぐる回る
いつまでもここに
覆いかぶさる
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双子は、ジェンガとか、○×ゲームとか、昔ながらの、そこまで盛り上がらなさそうなアナログゲームを静かにやっている感じ。

緑色の世界
緑色と黒の世界
削げ落ちて小さくなったものを見るために
俺も削げて目を凝らす
しかめっ面で目を凝らす

最初はほんの小さな捧げもの

殺し方?
お前はそんなことを考えながら
殺しているっていうのか?
つくづく気に食わないな!
------

明るい世界に殺されそうだ
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まるで侵食する洗脳
内側から始まる洗脳
吐き気
吐き気
吐き気

しんでしまったんだ
あのときにきっと
もうずっと前から
目の前から消えない

俺の部屋は狭いんだよ
誰も入る隙間なんてないんだよ
出て行け出て行け入ってくるな
気が違って泣いてしまうよ

足を浮かせる
勝手に進め
俺は寝てるから
勝手に進め

以前に描いた漫画の派生。
声というか、空気というか、そういうものを吐き出すと、
渇いていく感じ。なんかなんも感じなくなっていくね。
音というか、空気というか、声とか音とかを含んだ空気と一緒に、
内臓の空気が一緒に出て行って、外に出た途端に木っ端微塵になるみたいな。
ゆっくりと笑う気が褪せていく。

実際にある話で。
以前に描いた夢の話と似ているし、同じかもしれない。
前より少し現実に近づいたかもしれない。
今日俺はBに向かってAの名前を言うつもりでBの名前を言った。
俺は間違えているとは微塵も思っていなかったし、それは自然に出てきたものだった。
Bは俺がなにかと間違えてBの名前を言っていることを不思議がって「B?」とオウム返した。
俺は目の前のBがBという自分の名前を言うのを聞いても、
それをまったくおかしなこととは思わなかった。Aのことを言っているつもりで「そうそう、Bが」と言った。
きっと俺の中でAの名前とBの名前は別物として一致していた。
3回目でようやく気づいたけれど、しばらくAとBの違いがわからなかった。
なぜこれが間違いなのかが腑に落ちなかった。
気づいたときには元の世界に戻ったみたいで、ぬるくて気持ちが悪かった。
人間は共通の言語で意思疎通しているけど、その地盤は簡単に崩れてしまうもんなんだよなって。ね。
とても薄い膜で覆われているぶよぶよの液体の上に乗って、それを硬いと信じて飛び跳ねている気分。

ふと描きたくなった今は亡き人々

以前ツイッタでRTが回っていた2万でフィギュア化のやつ
2万ならってことで申し込んで作ってもらった郵便が先日家にやってきた
わーい
8センチだからとってもスモール

枯れた木に水を与える
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もう疲れてしまったと
もう歩く気力もないと
何度言ったことだろうか
同じ道を歩き
同じ場所に辿り着き
靴と一緒に自分も擦り切れた
最初の光は胃の凭れに埋もれる
ベルが鳴って終わるのは俺だ

休みたい

出会わなかっただけ
見過ごしただけ
見ていないだけ
見るつもりがないだけ
右から、前後と左が始まるので
どちらに行けばいいのか
泣いている、画面を見て、内臓が揺れるのと
笑っている、君を見て、吐き気がするのとは
とても よく 似ていると 思うのだ

もうすっかり忘れてしまった
鮮明に覚えていたひとつひとつの大事なものが
今では持ったそばから見つからない
水がまるで体液みたいになじんでいる
近づく代わりに遠のいた
自分が船に乗っているのをしらない
刺さって残っているのは一枚の皮ぐらいだろうね

ヒビとガスマスクの漫画
色がない
一瞬の錯覚もすぐに褪せる
嘘ではないが、本当のことでもない
何も残らない
願うことはない
眼前の惨状は
俺に家の道を教えている
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平和が訪れることはない
死を願うわけでもない
ただその意識が呼ぶ

一過性の病気みたいなもの?
縫って詰めて、それは君のもの?
気持ちの悪さを爽やかなココアとでも間違っているの?
いつまでもここにおいで
居心地がよすぎて吐くよ

信じている
ただの儀式だ
しっている
言い聞かせている
動く
吐き出す前に
必要なこと

握った手は滲んで見えない
温かかったのかどうかも思い出せない
2012/11/24〜2013/08/05