何になりたいわけでもなく
何かをしたいわけでもなく
ただ準備されたものを
時間のつぶしにしているだけ
それでも喉が渇けば水を飲みたいと思うし
眠気を感じて色々が億劫になる
意思に反して俺の体を動かす
そうならいっそ
もう勝手にやってくれればよいのに





いちにさん
いちにさん
気持ちのいい順番
正解の順番
知らない僕は叱られる
僕の中にはなかったもの
最初っからみんな準備済み
僕は残念 首なしスタンプ
それでも見えない首の上から
僕はばらばらに数え続ける





ただ したいことを しているだけ

浮かぶのは ちょっとした 日の下

ごろんとねごろがって

少し冷たい空気を、暖かい部屋の中で吸う

後にも先にも閉ざされた部屋

行くべき場所はそこにいあるのだ

目を閉じてひたすらに

しあわせの部屋でこの手を伸ばす





生まれるよりも過去の、

存在しなかった理想の過去へ

何もない穏やかな自然に帰りたい





ここから後ろを振り返ると
見知らぬ鏡面が滑稽に踊る
気味が悪くて目を逸らすけれど
それは俺の後ろをついて離れない
俺じゃない
俺じゃない
お前は俺なんかじゃない!




どうか親切にしてくださいな
不安定な背骨が軋んで
いつでも響いて痛むのよ
哀れに思ってくださいな
やさしさを分けてくださいな
ほんの少しでいいのよ
一秒でも隙間を埋める
一秒でも忘れられる
かんぺきな人間



段々と支離滅裂になっていき

入り口は狭まり

関心すらも失せていく

それでも見覚えのあるあの場所もこの場所も

確かに存在している

以前よりも廃れた気がする

雰囲気が変わった気がする

それでもあの時を持ったその場所なのがわかる

いつか指一本も通らなくなるかもしれないけれど

最後には再び大きな入り口から漏れる

生暖かい風に飲まれて

永遠の席に座るんだって

それだけが唯一のたのしみだ





きれいな世界に住みたいと願いながら
この目は汚れた世界しか映さない




愛とは何かという問いのぼんやりとした予想が今日はっと浮かんだ

結論として愛それ自体は存在しない

愛は個人によって異なる、対象に対する多様な要求の総合体のようなもの

愛は万人向けの私的言語のようなもの

 

感情抜きにして考えれば理解できない叫びと同部類のもの

 

愛とは何かをネットで調べたことはないけれど

しっくりくる自分にとっての結論





雨の日は嫌いなんだ
雷なんてもってのほか
何も感じやしないけど
残った嫌悪はいつまでも
どこにあるのか
脳の腫瘍か
そんなものはどこにもないのに
いつまでも いつまでも



どうしたって
いきたいところなどないのさ
なりたいものなどないのさ
くってねてはいてをくりかえす
くじであたった
いちばんのはずれだよ



しあわせな世界へようこそ!
足枷をつけて
手枷をつけて
首輪もつけて
重しもつけて
這いつくばって
階段を登って!
外開きの扉の上に立って!
皆の望みの集大成
さあ、さあ、首にこの縄を引っ掛けて
いちにのさん!
しあわせの体現!



押し寄せる楽しさに流されて

頭の片隅にさえ残らない

何が何だかもらからず

元は何かであった破片ばかりが散逸している

最後の砦

引きずりおろすための足罠

お前を待ち構える大きな口

きっと暖かいからね

きっとお前にぴったりだからね

冷えた砂だらけの嵐を

ぬるく柔い風に変えたのはお前だ

その中に針を飛ばすのもお前だ

 

きっとあんたは疲れているんだ

長い時間がたったからね

頭を休める時間も必要だって

戦士でもなかろうに

いったい何を真剣になっていたんだか

それとももはや

どうにもこの根が死なないものだから

安心して旅にでも出るつもりか?

いつしか枯れるものだって

どうして気づけただろうか

もっともらしい言葉の枷を探していただけ?

悲鳴は騒音になりさがって

何より眠りを求めているんだ

すべて眠りにつくことを





紡ぐことも思うようにできず流れ出すのなら
いっそ端から糸を通してしまったらどうかな
微睡の中
右から左に駆け抜けて残らないけれど
揺れない葉っぱがすきなんだ
動かない魚がすきなんだ
落ちない陽射しが
いつまでも埋まらない石畳の道が
どうかささやかな願いを聞いてはくれまいか




渦巻く数グラム
血のめぐり
手足のしびれ
歪む視界
簡単に崩れ去り
瞬く間に構築しうる
なんて胡散臭い世界

201701-201706 オエビ消失まで。